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ベケット・イン・東京 2006
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"Borderless Beckett"

International Samuel Beckett
Symposium in Tokyo 2006
September 29 / September 30 / October 1

 

開催概要

     名称:国際サミュエル・ベケットシンポジウム  東京2006

     テーマ:”Borderless Beckett”

     主催:早稲田大学21世紀COE演劇研究センター

             日本サミュエル・ベケット研究会

     会期:2006年9月29日(金)−10月1日(日)

     会場:早稲田大学国際会議場

 

開催主旨

2006年はベ ケット生誕100年であると同時に、日本にベケットが紹介されてから50年目の節目の年に当たる。1953年、日本人留学 生安堂信也は、パリのバビロン座でのちに演劇史上の大事件となる『ゴドーを待ちながら』初演に遭遇し、この「前代未聞」の演劇に魅せられ、帰国後間もなく 白水社から翻訳を出版する。1956年のことだった。『ゴドー』は、安堂自身の演出による劇団文学 座での日本初演(1960年)を経て、別役実、鈴木忠志、佐藤信、唐十郎らに決定的な影響を与え、60年代の日本に〈アングラ演劇〉が誕生するきっかけと なった。その後アングラ演劇は〈小劇場演劇〉として日 本の現代演劇の主流となっていくが、『ゴドー』は決して忘れ去られることなく現在に至るまで繰り返し上演され続けている。蜷川幸雄、串田和美、宮沢章夫 ら、その洗礼を受けた演劇人は枚挙に暇がない。

 

 2006929日 から101日の3日間、日本で初めての本格的な国際ベケット・シンポジウムが、早稲田大学21世紀COE演劇研究センターと日本サミュエル・ベケット研究会の主催により、早稲田大学国際会議場で行な われる。テーマは"Borderless Beckett"である。日本のベケット研究の草分けで ある高橋康也は、かつてベケットの演劇 に日本の古典芸能である能との類似性を見出した。能は、夢と現実(うつつ)、生者と死者の境界を往還する芸術である。ベケットの芸術もまた、あらゆる二項 対立を失効させ、境界をやすやすと踏みこえる。小説や演劇の古典的な形式やジャンルをこえ、英語とフランス語の境界を自由に横断し、地理的・政治的な境界 を突きぬけ、さらには形式やジャンルを規定 する哲学的・美学的枠組みそのものを踏みこえる。余分なものをそぎ落とし たベケットの芸術には、逆説的にも今日のメ ディアや文化の枠組みではとらえきれない過剰ななにかが溢れているのである。そのなにかをとらえるためのあらゆる批評的アプローチや方法論が展開される自 由で多様な言語空間こそ、国際ベケット・シンポジウムの目指すところとなるだろう。

 

特別パ ネル1:“Beckett and the Art of His Century”(英 語)
9月30日(土)15:00 - 16:20,井深大ホール

Enoch Brater イノック・ブレイター
“From Dada to Didi”


ミシガン大学教授。前サミュエル・ベケット・ソサエティ会長。代表作Beyond Minimalism: Beckett’s Late Style in the Theater(1987)は、ベケットの後期演劇に 関する最初の本格的な論考で、のちの研究の方向性を決定づけたと言っても過言ではない。Why Beckett (1989) は日本語にも翻訳され、格好のベケッ ト入門書となっている(『なぜベケットか』安達まみ訳、白水社)。他にThe Drama in the Text: Beckett’s Late Fiction(1994)など。

Angela Moorjani アンジェラ・ムアジャーニ
“Child’s Play and the Learned Art of Unseeing”


メリーランド大学名誉教授。精神分析、ジェンダー理論などを駆使してモダニズム文学や視覚芸術を分析する手法で名高い。Abysmal Games in the Novels of Samuel Beckett(1982)は、存在と非存在をめぐる反復と遊戯性の形式に注目をしたポスト構造主義的ベケット批評の先駆。ほかにBeyond Fetishism and Other Excursions in Psychopragmatics(2000)などの著作がある。ベン‐ツヴィとの共編Beckett at 100: Looking Back/Looking Forwardが近刊予定。


Linda Ben-Zvi リンダ・ベン‐ツヴィ
“The Net and the Self’: Beckett’s Media and Mediated Theatrical Experiments”


テル・アヴィヴ大学教授。コロラド州立大学名誉教授。現サミュエル・ベケット・ソサエティ会長。国際演劇学会(IFTR/FIRT)のベケット・ワーキン ググループのオーガナイザーとしても精力的に活躍している。フェミニズム的分析によるベケット演劇研究で知られる。代表作Samuel Beckett(1986)のほか、編著書にWomen in Beckett: Performance and Critical Perspectives(1990)、Drawing on Beckett(2003)などがある。


基調講演1(英語)
9月29日(金)10:30 - 11:20,
井深大ホール

Mary Bryden メアリ・ブライデン
“Clowning with Beckett”

カーディフ大学教授。元ベケット国際ファウンデイション・ディレクター。ドゥルーズを中心とする現代フランス思想を援用したベケッ ト研究の第一人者。Women in Samuel Beckett’s Prose and Drama: Her Own Other(1993)はドゥルーズを援用しつつフェミニズムの視点からベケット作品 における女性を分析した先駆的批評である。ほかに、Samuel Beckett and the Idea of God(1998)などの単著、Samuel Beckett and Music (1998)などの編著書がある。



基 調講演2(英語)
9月29日(金)16:10 - 17:00
, 井深大 ホール

Stanley Gontarski スタンリー・ゴンタースキー
“The Future of Performance”

フロリダ州立大学サラ・ハードン教授。早稲田大 学客員教授(2006年9月〜11月)。国際的ベケット研究誌Journal of Beckett Studies の編者を務める。The Intent of Undoing in Samuel Beckett's Dramatic Texts(1985)はベケットの草 稿研究の草分け的名著。ベケット自身による上演台本を編集したThe Theatrical Notebooks of Samuel Beckett シリーズ、ベケット 事典のThe Grove Companion to Samuel Beckett: A Reader's Guide to His Works, Life, and Thought(C. J. Ackerleyとの共編、2004)はベケット研究者にとって必読本である。




基調講演3(仏語)
9月30日(土)11:10 - 12:00
, 井深大 ホール

Evelyne Grossman エヴリヌ・グロスマン
“A la limite…”

パリ第7大学教授。国際哲学院プログラムディレクター。クレマンとともに、フ ランスを代表するベケット研究者。ベケットのほかにも、デュラス、セリーヌ、バルト、デリダ、レヴィナス、ラカン、ブランショなど20世紀の文学および哲 学について多数の論考がある。ベケットについてはL’esthétique de Beckett (1998)、および共著でSamuel Beckett, l’écriture et la scèn(1998)を出版している。アルトーに関する著作も多数あ る。



基調講演4(英語)
10月1日(日)11:10 - 12:00
, 井深大 ホール

Steven Connor スティーヴン・コナー
“Of All the Passions the Most Powerful Passion: Beckett’s Rage”

ロンドン大学バークベック校 教授。ロンドン・コンソーシアム・アカデミック・ディレクター。Samuel Beckett : Repetition, Theory, and Text(1988)はいち早くポスト構造主義の分析 を取り入れ、 ベケット研究を新たな時代に導いた。その他Dumbstruck: A Cultural History of Ventriloquism(2000) 、The Book of Skin(2003)など、文化史を 「腹話術」や 「皮膚」など独自の視点からダイナミックに捉えなおす刺激的な著作で知られる。

 

特別パネル2:“Dialogue entre Bruno Clément et de jeunes chercheurs“(仏語)
【後援フランス大使館】

10月1日 (日)15:00 - 16:20, 井深大 ホール

Bruno Clément ブリュノ・クレマン
Mais quelle est cette voix ?”


パリ第8大学教授。国際哲学院学院長。 グロスマンとともに、フランスを代表するベケット研究者。博士論文(1992)は「サミュエル・ベケットの作品における修辞学と形而上学」。国際哲学院 で、文学・哲学の言説の関わりを扱っており、L'Œuvre sans qualités, rhétorique de Samuel Beckett (1994)がベケット研究には必携である。近年はF. Noudelmann と共著でSamuel Beckett(2006)を上梓している。

「クレ マン 教授と若手研究者の対話」と題するこのパネルで,教授とベケット論をたたかわせるのは,イェール大学仏文科博士課程のAgnieszka Tworekさん,学習院大学仏文科助教授の大野麻奈子さんという気鋭の若手研究者。お二人の題 目は以下の通りで,ベケット文学におけるおそらく最大の謎「声」の問題が対話の中心にある模様です。

Agnieszka Tworek アグニスカ・トゥオレク:Les visages de la voix dans le théâtre de Beckett
Manako Ono 大野麻奈子:Actes sans paroles et langage sans théâtre

 

ノーベル賞作家J・M・クッツェー氏来たる!

公開講演会(英語:通訳あり)
9月30日(土)17:00 - 18:50 
, 井深大 ホール (受付開始16:30, 開場16:40)


J. M. Coetzee   J. M. クッツェー

1940 年生まれ。南アフリカの小説家。現在オーストラリア在住。2003年ノーベル文学賞受賞。南アフリカの厳しい政治的現実の中で西欧の植民地主義を問い直し ながらも、単純な政治的対立にからめとられるのを拒否する彼の小説は、(ポスト)モダニズムとポストコロニアリズムの交点において、現代世界の先端的問題 を鋭く追求している。博士論文(テキサス大学、1969年)のテーマがベケットの小説であったほか、多くのベケット論を発表、現在、ベケット・インターナ ショナル ファウンデーションの後援者に名を連ねている。主な小説にWaiting for the Barbarians(1980)(邦訳 『夷狄を待ちながら』Life and Times of Michael K(1983)(邦訳『マイケル・K』)Foe(1986) (邦訳『敵あるいはフォー』Age of Iron(1990)、The Master of Petersburg(1994) (邦訳『ペテルブルグの文豪』Disgrace(1999) (邦訳『恥辱』Elizabeth Costello(2003) (邦訳『エリザベス・コステロ』Slow Man(2005)。邦訳も多数あり。今回が初来日となる。


クッツェー氏公開講演会を聴講をご希望の方は別途申込が必要と なります(無料)。
下記のアドレスに 1お名前 2 ご所属 3電話番号 4ご住所を明記の上、e-mailかfaxでお申込ください。

予約アドレス:beckett-in-tokyo@list.waseda.jp 予 約 fax番号:03−5286−0808 
参加希望が多数の場合は、お申込をお断 りすることがあります。あらかじめご了承ください。

 

テレンス・ブラウン教授来日決定!

特別講 演(英語)【後援アイルランド大使館】
9月30日()16:40 - 17:30  , 井深大 ホール

Terence Brown テレンス・ブラウン
“Beckett: The Ghost in the Machines”

アイルランド文学および文化研究 の大家、ダブリンのトリニティ・カレッジ教授テレンス・ブラウン氏の特別講演も決定しまし たIreland: a Social and Cultural History 1922-2001(2004)(邦題『アイルランド:社会と文化1922〜1985年』)はアイル ランド研究者にとっては必 読書である。2006年ダブ リンで行われたベケット百年祭での『モロイ』をめぐる美しい講演は聴衆を魅了した。主な著書に、Louis MacNeice: Sceptical Vision(1975)、Northern Voices: Poets from Ulster (1975)、Whole Protestant Community:Making of a Historical Myth (1985)、Ireland's Literature: Selected Essays (1988) がある。また、ブラウン版ジョイスのDubliners(Penguin Modern Classics、1992)やイェイツの伝記The Life of W. B. Yeats: A Critical Biography (1999)も名高い。

 

グループ・セッション 
ベケット研究最前線(研究発表:英語・仏 語,3日間で約50のベケット論 が展開される)
(日にち別スケジュール)
9 月29日(金)/ 9 月30日(土)10 月1日(日)

シンポジウム期間の 3日間を通して,「ボーダレス・ベケット」の主題のもと,およそ世界20カ国から約50人にも及ぶ,ベケット研究発表が予定されている,英・仏のバイリン ガル作家であるサミュエル・ベケットを反映して英語と仏語による研究発表が,それぞれ30本前後予定されているのもこのシンポジウムの特徴である。Chris Ackerley, Peter Boxall, Garin Dowd, Yan Mevel, Masaki Kondo, Minako Okamuro, Jonah Salz, Derval Tubridy, Anthony Uhlmann, Shane Weller らをはじめとして,ベケット研究ですでにその名を広く知られている中堅,若手の研究者から,優秀な大学院生まで,このシンポジウムの顔ぶれは世界的に注目 されているほど多彩なものとなっている。その議論は,初期小説,小説三部作,『ゴドー』,後期テレビ作品,翻訳,モダン・アート,日本,アイルランド,身 体,ドゥルーズ,政治,ドラマトゥルギー,他者,声/沈黙,自然,形而上学,パフォーマンス,その他のグループに分かれて発表される。その切り口は, 記号 論,心理学,病理学,哲学,現代アー ト,比較文額,さらには子ども,動物,自然など,まさにボーダレスなものとなっている。もちろん日本からも日本サミュエル・ベケット研究会のメンバーをは じめ,10余名が発表を予定している。

   発表者のリスト,アブストラクトはこちらをご覧下さい: 
   なお,日にち別の詳細なプログラムは,こ ちらをご覧下さい。


「ベケット頌:『クワッド』によって触発された能役者によるエチュー ド
10月1日(日)17:50 - 18:30 , 井深大 ホール

ケット晩年のテレ ビ作品『クワッド』は、4人の演技者が正方形のスペースを、順列組み合わせによって厳密に定められた順路に従って、リズミカルにすり足歩行するだけの奇妙 な作品です。この作品と能役者が出会ったときに、いったい何が起こるのでしょうか。シンポジウムの最後を飾るイヴェントとして、興味深い試みが実現しま す。詳細は下記のとおりです。

出演:清水寛二/西村高夫/柴田稔/谷本健吾(観世流シテ方・銕仙会)
打楽器:橘政愛      
演出:笠井賢一



関連イヴェント

生誕100年記念『ベケットの秋 in 世田谷』

『エンド・ゲー ム』(Endgame/Fin de partie 新訳『勝負の終わり』)

作:サミュエル・ベケット
翻訳:岡室 美奈子
演出・美術 佐藤 信
出演:手塚とおる(ハム)/ 柄本明(クロヴ)/ 三 谷昇(ナッグ)/ 渡辺美佐子(ネル)


日程:9月22日(金)ー 10月1日(日)
(開始 時間は日によって異なりますのでホームページでご確認くだ さい)
場所:世田谷パブリック・シアター/シアター・トラム

シンポジウム期間中の上演にあたる9月29日の開始時間は19:00 より。
終了後,スタンリー・ゴンタースキー(フロリダ州立大学教授),内野儀(東京大学教授)による30分ほどのポスト・トークが予定されています。


「ベケットを読む」  リーディング上演  +  ミニ・レクチャー,トーク

「あ る夜―老いた大地よ―『また終わるために』より」
「オ ハイオ即興劇・カタストロフィ」

日程:10月26日(木)ー 10月29日(日)
場所:世田谷パブリック・シアター/シアター・トラム




「ベケット から浅井昭へ」
ーサミュエル・ベケット生誕100年記念展ー

期間:10月2日(月)− 10月7日(土)11:00 - 19:00
            (最終日 17:00まで)
会場:羅針盤 

104-0031 中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F 
Tel/Fax: 03-3538-0160  http://rashin.net/

シンポジウム参加登録のお知らせ

一 般参加者のオンライン登録による申し込みは9月20日までJTB サイトにて受 けつけておりましたな お当日参加の聴講も可能です。ただし初来日のノーベル賞作家J. M. クッツェーの通訳付き公開講演(9月30日)については,上記のように事前の申し込みが必要です。

3日間のシンポジウムへ の参加費は、一般の方2,000円(プログラム代込)、学生の方は無料(プログラムなし。但し、別途購入 可)ですが、できるだけ事 前の登録をお願いします。発表者の方には、別途メールにてご案内を差し上げます


・ベケット『エンドゲーム』9月29日 (金)シンポジウム期間1日限定チケット,19時開始、特別料金5,000円,学生2,500円。

(「9 月29(金)」のシンポジウム期間1日限定チケットの日 付を 「9月 28日(金)」と表記しておりましたのは,こちらの間違いです。お詫びして訂正いたします。)

チケットの予 約については,こ ちらをご覧下さい。

■予約をされた方のチケットはシンポジウム受付でお渡しします。受付で引き取れない人は、開場時に劇場受付でも引き取れます。


  スケジュールのダウンロードは,こちらです。

Download symposium timetable (pdf)

Download free software for reading pdf files

    

問い合わせ先: 国際サ ミュエル・ベケット・シンポジウム 東京2006実行委員会
                              
                            論文,シンポジウム内容についての質問の問いあわせは,こちらの様式をご使用ください。
                             参加登録,論文要旨提出の際の技術的質問はJTBのサイトにてお願いします。)

実行委員会メンバー

    プロデューサー:竹本幹夫(早稲田大学21世紀COE演劇研究センター代表)
                                 近藤正毅(日本サミュエル・ベケット研究会代表)

     ジェネラル・ディレクター:岡室 美奈子(早稲田大学)

     エグゼクティヴ・ディレクター:スタンリー・ゴンタースキー(フロリダ州立大学)
 

     ディレクター:大野 麻奈子(学習院大学)  
                               川島 健(早稲田大学
                               田尻 芳 樹(東京大学)
                               森 尚也(神戸女子大学)                                     
                              
     ボード・メンバー:井上 善幸(明治大学)   
                                      マイケル・ゲスト(元静岡大学)

                                      対馬 美千子(筑波大学)
                                   長島 確(ドラマトゥルク)
                                      西村 和泉(愛知大学)

                                      堀 真理子(青山学院大 学)     
   
     早稲田大学
早稲田大学21世紀COE演劇研究センター事務局:稲石 奈津子,風間弘充,酒井 翠


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本事業は独立行政法人日本学術振興会(JSPS)の 助成事業です。
 


 

 
   
Supported by the Embassy of Ireland and the Embassy of France in Japan